就職活動のための上京ってのは、宇都宮→東京間の長丁場となる電車内の暇つぶしとの闘いでもあります。こないだは、久しぶりにレココレ買って読んでたんですが、テーマは
「USハード・ロック特集」。当然のように作品100選があって、
blue cheerや
MC5、もちろん
mountainや
kiss等々の名前があったのですが、そこには
new york dollsの名前までも!!
パンクの始祖なんて言われる
ニューヨーク・ドールズをハード・ロックと思って聴いたことがないので驚いたんですが、うーむ、言われてみれば、ギターのひずみ方がなんともハード・ロックなんですかね?と妙に納得してみたり…。
こんな書き方すると、まるでアメリカ産ロックが皆ハードロックみたいに思ってんのか?と言われそうな感じですが、
ラスカルズや
バーズ、イーグルスは、やはりハード・ロックとは言えないでしょう。彼らがその100選に選ばれていたら、抗議のメールを送るかも(笑)
結局信頼できるのはそれまで培ってきた自分の「耳」だけですね!
Too Much Too Soon
雑誌に紹介されていたのはファーストの方なんですけど、個人的に思いいれがあるのはセカンド。まだこのバンドの名前くらいしか知らなかった中学時代に、今は亡き千葉県の某ショップでジャケットが飾られていたのを見て、つい買ってしまいまして…ジャケ買いです。
で、帰って聴いてみると、音はチープだし、曲もなんだかヒネりがないし、なんだこりゃって感じだったんですが、見事にハマってずっとコレばっか聴いてました(汗) ロックの魅力なんてどんなとこに転がってるか分かりませんねー。
ラモーンズの連中や
モリッシーなど、その後ロック産業の前線で活躍した連中をフォロワーにした
ニューヨーク・ドールズ。70年代前半からバンド活動をしていた彼らのパフォーマンス・スタイルってのはかなり異形で、英国のグラム・ファッション以上にいかがわしい身なり、高いブーツ、中性さを出すための厚化粧…これはかなり破壊的な、ロックの既成概念への挑戦でしょう!今じゃロック産業でも認められることでも、時代が違えばそうはいかないわけで、残念ながらバンドは大ヒットとはいかなかった模様。ファーストは
トッド・ラングレンのプロデュースですが、本人たちの意図したサウンドとは程遠かったようで、喧嘩別れしたそうです。意見の食い違いはともかく、あのトッドが目をかけたんだから、後世まで残る評価は、ある意味ではここで約束されていたのかもしれませんね。
彼らの演る音楽は、ロックンロール・オンリー。ボーカルの
デヴィッド・ヨハンセンは見るからにミック・ジャガーを意識してる感じで、歌いまわしもミックの影響を感じさせます。ギターがこれまたよくて、決して上手く弾かない。徹底した抑揚のなさがなんとも良くて、気だるさというか…ダダイズムというと大袈裟か(笑)。このアルバムの全編に貫かれている「新しい」ロックンロール。やり場のなさをB面の終局まで演じておいて、最後の「human being」。これまた完全な袋小路な音楽!聴き終えたこちらは虚脱につぐ虚脱を続けるのみ…。やるせない上、哀愁すら感じてしまう…。完全なロックンロールなのに、明るさがまったく見当たらない。それが結局彼らの意図したロック・サウンドなんだろうけど、こんな孤独な闘いが長続きするはずもなく、バンドはこのアルバムをもって解散。その後すぐにメンバーを入れ替えて来日ライヴしたそうです。
先日、垂涎モノのビートクラブ出演時の映像を見ましたが、アクションと演奏は最高。やはり活動期間が短すぎたのが惜しい…。客有りのライヴ映像探しております。
そして
ニューヨーク・ドールズをめぐる大きな疑問!メンバーの
ジョニー・サンダースと
キンクスの曲
「ジョニー・サンダース」は関係があるんだろうか!