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私的100選(11) Pretty Things「S.F.Sorrow」

JUGEMテーマ:音楽
 

前回のイエス「危機」にひき続いて、またしても自分にとっては名盤中の名盤な一枚の登場なのですが、最近部屋のレコードの位置を変えて、ひいきにしているアルバムを手元にもってきたので、当分そんなことが続きそうです(笑)

Pretty Things「S.F.Sorrow」(1968)※録音は1967年

Side-A
1.S.F. Sorrow is Born
2.Bracelets of Fingers
3.She Says Good Morning (May, Taylor, Waller, Alder)
4.Private Sorrow (May, Taylor, Waller, Povey)
5.Balloon Burning (May, Taylor, Waller, Povey)
6.Death(May, Taylor, Waller, Alder)

Side-B
7.Baron Saturday
8.The Journey (May, Taylor, Waller, Alder)
9.I See You
10.Well of Destiny (Smith, May, Taylor, Waller, Povey, Alder)
11.Trust
12.Old Man Going(May, Taylor, Waller, Povey, Alder)
13.Loneliest Person(May, Taylor, Waller, Alder)
※クレジット記載ないものはフィル・メイによる作品

Phil May- vocals
Dick taylor - lead guitar, vocals
John Povey - organ, sitar,percussion, vocals
Wally Allen (aka Waller) - bass, guitar, vocals, wind instruments, piano
Skip Alan - drums
John Charles Alder (aka Twink) - drums

Produced by Norman Smith


「どうして40分の曲が一曲だけ入ったアルバムが、なぜクラシックの世界では認められて、ロックやポップスの世界は認められないのか。それでオペラから影響を受けて、こうした長い曲で構成されたアルバムを作ってみたってわけさ」 −フィル・メイ、1999年のインタビュー−


当時としては数少ない、ストーリーを伴ったコンセプト・アルバムで、ロック・オペラという言葉を世に喧伝した初めての作品と言われるそうなのですが…現実では、このロック・オペラという手法(といってもバンドそれぞれ手法は違ったのだけれども)を用いて成功したバンドといえば他ならぬ「トミー」を作ったザ・フーで、実際それよりも早く録音だけは済ませていたキンクス「アーサー」、そして本作は発売のタイミングがずれ込んでしまったことにより「ピート・タウンゼントの二番煎じ」という烙印を押されてしまったそうな…どうでもいいですが、この手の話のときにジョージ・ハリスン「電子音楽の世界」も入れてやってくれ、と思うのですが…やはりお門違いか(爆)
この三作品に共通することといえば、どれもがトラジカルなストーリーってことでしょうか?「トミー」は最後の最後に救済らしきなんやらが起こるのですが、この「SFソロウ」だけは上演中、一度もいいことがないお話です(爆) その陰鬱な雰囲気はどうやらドラッグの服用によりアシッドを目指したためのようですが…ジャケットのデザインは、ボーカルのフィル・メイ本人によるものですが(予算がないため自分で描いたらしい)、これだけでも興味をそそられた記憶があります。

一番好きなアルバムと言われればコレかもしれない…と普段思っているんですが、初めて聴いたのは結構最近で、5年前にプリティ・シングス「パラシュート」までの作品が紙ジャケで登場したときでした。初めにファースト・アルバムと「SFソロウ」の二枚だけ買って、どちらも凄く気に入ったので思い切って全部買ったんじゃなかったかな?聴いてわずか五年でも、それ以前に聴いてきた名盤誉れ高い作品の群を抜いてしまうんじゃないかというファースト・インプレッション…それくらい強烈に感じたものでした。
それだけに、レコード・コレ◎ターズの60年代名盤ベスト100に、評論家選素人選どちらにもこれが入らないというのは、かなり意外でしたね〜。


メイによると、ドラッグでキメて録音しようという試みは、今では笑っちゃうような話だけど、当時は大事なことだと皆思っていた…そうで、ドラッグといい曲中で多く使われるシタール、やや東洋的なギター・サウンド・フレイバーといい、実は当時としてはかなり俗的な方向性を持ってるのかな?と思います。それでもバンドが賢明だったのは、ドラッグ体験によって安易なコラージュに走らなかったことだと思います。東洋民族観的に統制されたイメージ・フィルム、独特な暗く重い詞世界、その曲詞の間に、ジャケット内部に書かれているストーリーのナレーション、全編を形づくった美しくも異形なコーラス、すべての曲に通ずるヘヴィ・ロックを突き詰めた音…それもファズの多用ではなく、アコースティック・アンサンブルでヘヴィさを追究したこと…ドラッグ体験の本当の出口がこのアルバムなのかもしれないですね。名盤と言われる多くのサイケ・アルバムが、ドラッグ体験の表面を撫でただけ…このアルバムのアシッド感覚こそが、精神・思考開放を越えた、コアの暗い世界…そんなことを想像してしまいます。

ドラムの多くをトゥインクが叩いているのだと思いますが、スネアやタムの音がとにかく低い!そして凄く奥に位置しています。自分がトゥインクの立場だったら、俺の音が聴こえねーじゃねーか!とブチ切れそうなもんですが、ドラムの各音を複数の弦楽器に絡ませる特異なミックスだったからこそ、このヘヴィなサウンドが生まれたのかな、と思います。
ギターのディック・テイラーは当時流行のファズを使うには使っていますが、本当に大事なところでしか使わないし、使うときは極端に前に出す。イ覆鵑そうですよね。ファズ・ギターを常時バッキング的に使うバンドが多かったのに対し、アコースティック・サウンドの中から突如表出する鮮やかさは本当に印象に残る場面。
Г魯疋薀爛后パーカッション・ソロがある曲で、シンバルの音を合わせれば、4つの楽器を使っているのかな?よく聴くとティンパニらしき音が聴こえるが…のみはアコースティック・ギターと歌のみによる曲。

ストーリーの主人公であるSFソロウの誕生から途中までが描かれているA面は、どこか彼の体験してきたことを滑稽なように表しているような気がするのですが、逆にB面は人生の崩壊へと導かれるソロウを、リアリスティックに描いたような曲の雰囲気… このストーリーというのも厄介で、いわゆる読み物的なストーリーではないんですね。ずっと抽象的で、世界そのものが非現実的。だからこそ当時の風潮であった、安易な政治批判や人間主義的な内容で描かれていない、そこが気に入ってる理由の一つでもあります。

「ソロウはミドル・ネームの「F」の意味が分からなかったが、知ろうとも思わなかった」
「悲しみですらも信じることができない」

歌詞の一部は実存的にも感じますが、なんかはモロに主観的な内容…僕が全体を読んで今のところ思うのは、ソロウとは生まれてから世界に現実感を持てない人間の象徴で、常に死や破壊といったことに心をとらわれることで自我が崩壊していき、老人になり、「孤独」になったことを知り初めて現実感を味わう、ただしそれは後のまつり…といった内容なのかな、と思っているのですが…本来の狙いとはいかに…。

う〜ん、とにかく凄い一枚だな〜と思います。自信を持って人に推薦したいアルバムです。






※画像をクリックすると拡大して見られます

上:見開き
中:見開きジャケットの内部
下:ドイツ盤(ステレオ)レーベル

レコードが一々出る割にはオリジナル盤が出てこないブログですが(爆) このアルバムは人気ですから…とにかく見かけないし(当時売れなかったのもありますが)高いです。アメリカ盤はジャケ違い。当時からなんと国内盤が出ていたそうで!?しかも76年にも再発されているという…ゾクゾク。
手持ちはステレオのドイツ盤。1970年頃?ジャケは全面コーティングされていました。ハーヴェストのレーベルではないから、移籍以前か?他に数枚あるはずなのですが、どっかにやったので省略。現行CDはステレオですが、古い輸入盤はモノラル仕様なので是非そちらで…アナログ盤でも再発でモノラル仕様が出ていました…というのは、このアルバムはモノラルを想定してミックスされた作品らしいんですね。フィル・メイ本人が言うくらいだからやはりそうなんでしょうが…。ステレオは音それぞれの分離が極端すぎて、結構聴きづらいです。一度あるお店で聴かせてもらったオリジナル・モノ盤は別世界でした。こちらこそバンドが狙った本来の音なのでしょう…。



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