サーチャーズと同じリヴァプール出身で、同じ年にメジャーデビューしたのが、ご存知
ビートルズです。
ビートルズというと、日本ではロック好きじゃなくても、洋楽知らない人でも誰でも既知といった存在なんですが、それだけに他のロックバンドとのくくり方も非常に難しい気がします。それに、あんまりビートルズについてヤンヤ言うと、世のビートルマニアに叱られそうなので、ここは素直にいきます(笑)
ビートルズのセカンド!これ個人的にはビートルズの英国カタログの中でも大好きなアルバムです。
「ラバーソウル」での音楽的な懐の深さや
「ホワイト」での混沌とした世界観も勿論大好きなのですが
「ウィズ」の持つロックンロールの可視的で単純に「カッコいい」と感じられる演奏の迫力は凄まじいものがありますよね。一日で録音しきったという
「プリーズ」の荒々しさも双肩をなすんですが、甘口ナンバーが多いのが気になるというのもあって、やはり個人的には
「ウィズ」なんであります。
前置きが長くなりましたが、改めてこのアルバムを聴いてみると、このアルバムのテンションの高さ、それはリンゴ・スターに起因するものがあると思うんです。ポールの好きな甘口ナンバー以外は、常にオープン・ハイハットでビートを刻んでいるんです。当時のビートバンドって、結構しっかりリズムを刻むタイプ(バックに徹する)のドラマーが多くて、ハイハットはクローズで地味に演奏しているのがほとんどなんですが、リンゴは派手なおかずを出すわけでもなく、シャカシャカうるさく演奏してるんです。で、普通だとそんな叩き方していたら、音がスカスカになってやかましい感じになるはずなんですが、リンゴの場合はなぜかそれがなくて、全く気にならない。むしろバンドの迫力が前面に押し出されるんです。こういうところがドラマーの味なんですかね。イギリスの名ドラマー、
フィル・コリンズをして「リンゴは天才だ」と言わしめただけありますね。リンゴの本当の凄さは、その後の
「レイン」や
「ストロベリー」など可視的な部分で証明されるわけですが。すいません、ドラムしか出来ないのでドラマーの話だけで引っ張ってしまいましたが(汗
それで、ボーカルの弾けっぷりも凄くて、ジョンの歌うロックンロールは、やはり一癖も二癖もある感じですね(笑) 前に佐野史郎が、ヒットラーとジョンレノンと美空ひばりの声の周波数は同じなんだと言ってましたが、理屈抜きにジョンの歌声は人を引きつけるモノがある、とは思います
。「ビートルズアンソロジー」という映像集がありますが、そこでの
「a day in the life」のテイク1を、ジョージ・マーティンがジョンのボーカルだけ聴かせるシーン、なんと表現していいか分からない不気味で囁くような歌い方、あれは鳥肌モノです。
このアルバムには、イギリスでシングルカットされた曲はないんですが、後世に語り継がれた
「It won't be long」「all my loving」ストーンズがカバーした
「I wanna be your man」など名曲が多いんですよね。ファーストの頃に比べて、カバー曲もロックンロールやモータウンを自分達なりにうまく消化できるようになっていて、安心して聴ける一枚です。